東京には、世界のどの都市と比べても際立つほどのバーが密集している。予約が何ヶ月も先まで埋まっている銀座のウイスキーバー。サラリーマンが午後6時から缶ビールを飲む新宿の立ち飲み屋。本棚の裏や、看板も出ていない階段の上に隠れたスピークイージー。バーテンダーが一人でドリンクを作れるようになるまでに何年もかけて修行するほど真剣なバー文化。
このガイドでは、そのすべてを整理して紹介する。1杯のパーフェクトなカクテルが飲みたいのか、一晩かけてはしご酒できる街を探しているのか、東京で最も名高いバーを目指しているのか——どんな目的にも対応する。
エリア別の特徴
東京のバーはエリアごとに性格が異なる。
銀座:ラグジュアリー。アジア最高峰のカクテルバーが集中。価格もそれに見合う。要予約。行く価値は十分にある。
渋谷:クラフトカクテル、インターナショナルなバー、幅広い予算に対応。グループに向いている。
新宿:ダイブバーから世界的なウイスキーバー、ゴールデン街(6本の路地に約300軒の小さなバー)まで何でも揃う。日本で最も密度の高いバー街。
恵比寿・代官山・中目黒:地元のワインバー、立ち飲み、居酒屋。観光客ではなく、東京の人々が実際に飲む場所。
六本木:インターナショナルな客層、やや高め、深夜まで営業。夜を長く楽しみたいときに向いている。地元感は少ない。
ベストカクテルバー
スターバー銀座(銀座)
日本で最も敬意を集めるカクテルバー。ヘッドバーテンダーの岸ひさしは世界大会で優勝経験を持ち、東京のバーテンダーの多くが彼のもとで修行した。バーは小さく(15席ほど)、照明は完璧で、クラシックの伝統に根ざしている。カクテルは1杯3,000〜6,000円。早めに予約を——週末は数週間先まで埋まる。
バー・ハイファイブ(銀座)
上野秀嗣のバーは、グローバルなクラフトカクテルムーブメントへの影響という点でおそらく最も重要な日本のカクテルバー。完全予約制で、常にウェイティングリストが埋まっている状態。飛行機で一夜だけ東京に立ち寄るような真剣な酒飲みのための場所。
バーベンフィディック(新宿)
オーナーの加山ひろやすは屋上でハーブを自家栽培する。カクテルは新鮮なボタニカルと日本の素材を軸に組み立てられており、アンティークと現代性が同居している。アジアのベスト50バーに定期的にランクイン。銀座の大御所バーよりもアクセスしやすく、平日は予約なしで入れることも多い。
SGクラブ(渋谷)
後閑信吾(ニューヨーク・上海にも店舗を持つ)が手掛けるSGクラブは、1階の「Guzzle」(カジュアル・高回転)と2階の「Sip」(本格的・要予約)という二段構造。メンバー全員が同じ気分というわけではないグループにも向いている。
ベストウイスキーバー
バー・ゾートロープ(新宿)
300種類以上の日本ウイスキーを揃える。スタッフは知識豊富で、嫌味がない。日本ウイスキーを目当てに訪れるなら、ここが最良の選択肢のひとつ。価格は注文するボトルによって幅があるが、全体的に良心的。
詳しくは東京のベストウイスキーバーガイドを参照。
ゴールデン街のベストバー
ゴールデン街は新宿にある6本の路地に約300軒のバーが立ち並ぶ地区。席数は8〜12席がほとんど。1960年代からほぼ変わらない姿を保っている。
仕組み:ほとんどのバーにカバーチャージ(500〜1,000円)がある。入って1杯注文すればOK。バーテンダーはたいていオーナーでもある。ジャズ、パンク、映画、相撲などテーマがあることも。
おすすめの回り方:午後9時以降に来店。南入り口の観光客向け店舗より、新宿駅に近い北側の路地から始める。一晩で3〜4軒。
立ち飲みのベストスポット
のんべい横丁(渋谷):「酔っ払い横丁」という名の狭い路地。古い木造建築と路地に溢れる小さなバー。
有楽町高架下(銀座・有楽町):山手線の高架下に並ぶ古くからの名酒場。焼き鳥・ビール・日本酒。飾り気がなく、本物の地元感がある。
思い出横丁(新宿):東京の横丁で最も有名。小さな焼き鳥屋台がひしめく。観光地でもあるが、雰囲気は本物で、食事もビールも美味しい。
実用的なメモ
終電:都内の電車は深夜0〜1時頃に終了する。その前に計画を立てるか、始発の午前5時まで外にいるつもりで動くこと。終電を逃したときの対処法も確認を。
ドレスコード:銀座のカクテルバーはスマートカジュアルが基本。ゴールデン街は何でも可。迷ったらきっちり目に。
現金:ゴールデン街や立ち飲みの多くは現金のみ。バーめぐりの夜には現金10,000〜15,000円を持参すると安心。
お通し:小さなバーではカバーチャージ(500〜1,500円)が一般的。小さなおつまみ(お通し)付きのことが多い。ぼったくりではなく、慣習通りの文化。